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2020/12/13 14:00-14:30

100%フランス産の原料を使用!『日本酒を世界酒に』というWAKAZEのビジョンを体現する1本、「THE CLASSIC」

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TBS『世界ふしぎ発見!』11/28(土)放送「憧れの街 パリは今!?」でも紹介され注目を集めるWAKAZEパリ醸造所から今季初モノの新酒がついに登場!未来日本酒店kichijojiの試飲販売会より生中継!次なる「世界」のスタンダードを創るSAKE「THE CLASSIC」をご紹介します。

インタビュー

テロワールを大事にするSAKE in Paris

地産地消を志し、フランスのアイデンティティが入った酒をご存知だろうか。フランスのパリに醸造所を構えるWAKAZEフランス。東京・三軒茶屋に構えるWAKAZEがなぜフランスのパリに飛び立ったのか。それはまぎれもない叶えたい夢があったからだ。

WAKAZEとは

四季折々の気候や、微生物の力を活かした「自然な造り」をベースに、SAKEの新たな可能性に挑戦するべく様々な酒造りに挑戦している。2018年7月に「その他の醸造酒免許」を取得、東京都世田谷区の三軒茶屋に「WAKAZE三軒茶屋醸造所」を立ち上げ、どぶろくやボタニカルSAKEなど新感覚のSAKEを生み出した。
その後、2019年夏、フランス・パリ近郊に自社醸造所「KURA GRAND PARIS(クラ・グラン・パリ)」を創立。清酒を中心に造る本醸造所では、450㎡の敷地に2,500Lタンク12基をはじめ、麹室や圧搾機など酒造りに必要な設備のほとんどを特注によって現地で揃え、ヨーロッパ最大規模となった。

テロワールを活かした酒造り。フランス唯一の稲作地帯・南仏カマルグで栽培されるジャポニカ米、欧州を象徴するミネラル豊富な現地の硬水、フランス由来のワイン酵母など、徹底したフランス産原料によって、KURA GRAND PARISならではのSAKEを醸している。

※テロワール:「土地」を意味するフランス語terreから派生した言葉である。 もともとはワイン、コーヒー、茶などの品種における、生育地の地理、地勢、気候による特徴を指すフランス語

日本文化の象徴である日本酒が、パリで醸造される。しかもパリのお水やお米を活用した地産地消のお酒造り。数々の酒蔵を取材させていただいたが、国をまたいで、お酒造りの話を聞くのは初である。フランスにおけるお酒造りの難しさや大変さ、そこに加えてだからこそ楽しみもあるだろう。

パリでのお酒造りについて、三軒茶屋醸造所およびKURA GRAND PARISを立ち上げた杜氏の今井翔也さんにお話を伺う機会を得ることができた。

今までのお酒造りの経験について教えてください

1841年創業の群馬・聖酒造の酒造一家に生まれました。東京大学農学部卒業後は食品EC企業オイシックスに就職し、その在籍中にWAKAZE代表である稲川と出会いました。WAKAZE創業当初より「フランスでSAKEを造る」を夢見ており、その実現のために秋田・新政酒造、富山・桝田酒造店、新潟・阿部酒造、群馬・聖酒造で蔵人として修行を積み、酒造りの知識と技術を横断的に会得しました。

パリでは日本酒はどういうイメージですか?

SAKE全般の認知度は上がってきています。和食が人気ですし、お寿司などのデリバリーも人気です。寿司フライデーというのがあり、お寿司に合わせて日本酒も合わせるのはよく見かけます。それでも、ワインに比べたらまだまだ小さいマーケットなのが課題ですね。

フランスの方にどういう風に楽しんでいただきたいですか?

やはり、造り手としては、飲み物として美味しいのはあたりまえだと思うんです。その上で、固定概念にとらわれず、お料理とのペアリングはもちろんのこと、カクテルにしたり自由にSAKEを楽しんでもらいたいですね。そうして、フランスの新しい食文化として融合していってほしいと考えています。

パリの醸造所立ち上げによる苦労はありましたか。

「SAKEを世界へ広げたい」という想いから醸造所を立ち上げました。フランスならではの問題として、工事遅延が起こってしまい、冷蔵設備がない状態で酒造りがはじまりました。温度コントロールもできないなか、手探りの状況でお酒造りに挑みましたが、ミネラルたっぷりの硬水、栄養豊富な低精白米という条件も重なり、発酵のコントロールに苦労しました。その後も、使用する現地の食用米の品種を次々と試しながら、発酵コントロールのための技術を磨き上げることができました。

WAKAZE THE CLASSICの特徴

創立初年度に培った技術を2年目に活かすことで、お酒としては、ボリュームたっぷりでありながら、果実感のあるすっきりとした味わいに出来上がりました。
気楽に飲めて、お料理と合わせやすい、そんなお酒です。実は、南仏カマルグの米農家さんとの関係を続けて信頼を得たことで、お米を磨くことにもチャレンジできたんです。去年はほぼ玄米に近い精米歩合95%でしたが、2−3回精米にかけて90%精米まで磨くことができたんです。日本の食用米と同じくらいの精米歩合にできました。5%の差は大きく、お酒の仕上がりにダイレクトに反映され、さらにクリアに仕上げることができました。

フランスで仕掛けるWAKAZE。近い将来なりたい姿はありますか

ヨーロッパで一番飲まれるSAKEになりたいですね。実績としても、500店舗を展開するフランス最大の高級ワインショップでも取扱いが決まったんです。これは歴史的な一歩だと感じています。

今後造ってみたいお酒はありますか?

現在は全量白麹酛で無添加の造りを徹底していますが、先々では生酛や水酛も取り入れながら、フランスのお米を感じられる低精白で発酵パワーを最大限引き出したお酒を造りたいです。というのも、「お米を磨く」ということは、希少価値を創造する一方で、一般的にはサステナビリティに反してしまいます。お米を磨くことで出来上がるお酒、また、そうでないお酒とを比較してどちらがベストなのか検証したいですね。フランスの地でもう一度「吟醸」の存在意義を問いながら、米という穀物の価値を欧州で伝えていきたいです。

今井さんにとっての日本酒とは?

お酒っていろんな側面があると思います。前提として、飲まなくても死なないですよね。
生きる上で必須ではないんです。それどころか飲みすぎて健康を害したら、社会的な問題になりますしね。しかし今はコロナの時期だからこそ社会の潤滑油となって、人と人を繋ぐものになるのではと思います。発酵の力で素材と素材が繋がり、食と酒がテーブルに並ぶことで、コミュニケーションをスムーズに誘発してくれるものだと思います。フランスはロックダウンを何度も経験しながら、ようやく飲食店が再開してきたところです。日本も大変な状況が続いていますが、近々でコロナが明けた瞬間に喜びの酒・乾杯酒として、選んでもらえたらなと考えています。

海外フランスパリで挑戦する一つの酒蔵。テロワールを重んじ、その酒蔵でお酒造りを一から作り上げてきた一人の杜氏から放たれる言葉は説得力があり、それでいて夢を追いかけている少年のフレッシュさを感じた。叶えたい夢、それは日本酒の本質を突いた新しい価値の創出だった。

(ライター/高岡麻彩)

関連レシピの紹介

配信で紹介した「THE CLASSIC」に関連した料理のレシピをご紹介! 飲んでも美味しい・食べても美味しい、日本酒の多様な楽しみ方を提案します。

日本酒おつまみレシピ『きゅうりの梅わさび和え

CLASSICのスッキリとした飲み口に合わせたい前菜『きゅうりの梅わさび和え』。 梅のさっぱりとしながらも、甘しょっぱい風味との日本酒ペアリングが合う! 是非お試しくださいね。

材料(2人分)

  • きゅうり:1本
  • 梅干し:1個
  • 大葉:2枚
  • わさび:小さじ1/2
  • 海苔:千切り適量

作り方

  1. きゅうりは薄く輪切りにする。
  2. ボウルに梅干しの種を除いて入れ、菜箸で細かくしておろしわさびを加えて混ぜ、1と合わせる。
  3. 千切りにした大葉と海苔を盛り付けて出来上がり。


レシピ作者プロフィール

日本酒きき酒師・料理研究家 まあやにてぃ (髙岡麻彩)
京都生まれ京都育ち

まあやにてぃプロフィール画像

企業コラボレッスンやイベント、店舗メニュー開発・提案などを行う。 独自ブランド「おもてなしスイーツ」では出店販売の経験もあり、「見ても食べても癒されるスイーツ」という健康・美容・華やかさで子供から大人まで絶大な人気を博している。

地元京都は日本酒が多く作られている地域。 日本酒が大好きでいつの間にか日本酒の世界にどっぷり。 『日本酒は飲むサプリメント』を掲げ、その美味しさはもちろん、健康にも美容にも良いことを提唱。

こんな素晴らしいものを、一人でも多くの人に知って欲しい!生活に取り入れて欲しい!との想いから、日本酒を活用した「日本酒ひとまわしレシピ」を開発。独自の五感エッセンスを取り入れたお料理とスイーツのレシピでAmebaブログでは月間50万アクセスを超え、日本酒×スイーツの新しいペアリングを日々探求している。